副代表の京増です。
三の会主催オープンセミナーを開催しました。
 当日は、10代から80代まで幅広い年齢の方が参加され、大盛況となりました。
ほとんどの方が中江藤樹のことは知らないけれど、佐々木泰明先生にお勧めならばきっとすごい人なんだろうというという期待のあらわれだと思います。

 中江藤樹は、江戸時代初期に、中国の四書「大学」「中庸」「孔子(論語)」「孟子」を学び、自ら実践することで、多くの人に影響を与え、日本陽明学の祖にして、近江聖人として現代でも尊敬される偉人です。
 上映された作品は、中江藤樹の生きざまそのものが、学ぶことの大切さ、伝えることの大切さ、実践することの大切さを伝える内容になっています。

 印象的なシーンとして、読み書きもできない村人が「勉強って簡単なんじゃなぁ、楽しいのう」というセリフがあります。良い本だから読めではなく、その人その人にあった方法で、スピードで、本質を伝えることはなかなかできるものではありません。そんな藤樹を見て、後輩が育ち、後世にまで続く道筋を作ったのでしょう。

 上映中は、あちらこちらからすすり泣く声が聞こえてきます。わたし自身も涙腺が決壊してしまったのは、やろうと思っていても出来ないことが、実は自分に言い訳をしてやっていないと気が付いてしまったり、これからやろうにも、時すでに遅しという後悔を実感してしまったシーンです。

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 上映後は、佐々木泰明先生から講演をいただきました。
藤樹先生の教えである「知良致」。昔は右から左に書いていたので、本当は「致良知」だそうです。
そして、あらためて近藤代表のブログを見返してみると、致が一番大きく書かれています。一致の致を強く意識してという表現でしょうか?

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  参加したかったけれどご都合がつかなかった方もいらっしゃることでしょう。
ほんの少しでも雰囲気が伝われば幸いです。

 十分な時間をスケジュールなかった主催者を慮って、
佐々木泰明先生により、中江藤樹の教えである、「致良知」「孝行」「知行合一」「五事を正す」の解説をいただきました。

 中江藤樹の教えは・・・・・
致良知(ちりょうち)中国の明代の儒学者、思想家「王陽明」
 人は、だれでも「良知」という天から与えられた美しい心をもって生まれています。良知というのは良心、美しい心。誰とでも仲良く親しみ合い、尊敬し合い認め合う心のことを言います。
 ところが人々は、次第に みにくい いろいろな欲望が起きて、つい良知をくもらせてしまいます。
 私たちは、自分のみにくい欲望に打ち克って、良知を鏡のようにみがき、その良知に従い行いを正しくするように日々努力することがとても大切です。
 良知が明らかになれば、天と一体になって人生は安らかになる。

 孝行(こうこう)
 私たちの心や体は、父母からうけたものであり、父母の心や体は、先祖からうけつがれたものであります。
 それはもともと、大自然から授かったものです。
仏教(禅宗)の修行の一つの中に座禅行と共に易筋行(ここから派生したのが少林寺拳法)という修行があり、その教えの中に「身体は父母より授け 魂はダーマ(天)より受けたることに 報因の誠を尽くさんことを期す。」とあります。
 4つの命・・・生命、天命、使命、寿命 それぞれの意味を知ることが心の衷心に皇極が生まれる。
 孝行とは、父母を大切にし、先祖を貴び、大自然を敬うことです。そのためには自らの良知を磨き、体を健やかにし、行いを正しくし、家族やまわりの人々と仲よく 親しみ合うことが大切です。
 さらに、子どもを温かい心でしっかりと育てることも孝行です。

 知行合一(ちこうごういつ)
 人々は、学ぶことによって、人として行わなければいけない道を知ることができます。
しかし、学んだだけで、それを行わなければ、本当に知ったことにはなりません。物事をよく理解し、実行してこそはじめて知ったことになります。
 このあたりから 日本では家訓 理念とかが大切にされてきた。故に、理念、VISION、インテグリティが基本にあるのとないのでは経営の品質に差が生まれる。

 五事を正す(ごじをただす)
 五事とは「貌、言、視、聴、思」(ぼう・げん・し・ちょう・し)を言い、それを正すことは、なごやかな顔つきをし、思いやりのあることばで話しかけ、澄んだ目で物事を見つめ、耳を傾けて人の話を聴き、まごころをこめて相手のことを思うことです。
 ふだんの生活やまわりの人々とのまじわりの中で、自ら五事を正すことが、すなわち良知をみがき、良知に至る大切な道です。

 良知に至るには、日常五つのことをこころがければいいという。なごやかな顔つきをし、思いやりのある言葉で話しかけ、澄んだ目でものごとを見つめ、耳を傾けて人の話を聴き、まごころをもって相手を思う。何より正直であることが大切と説く。
 100年後、ある武士が 野良仕事中の百姓に 藤樹の墓までの道を聞いたところ、百姓は、仕事の手を休め 墓までの案内をする。途中、自宅に立ち寄り、正装に着替えて現れた。武士は、自分への敬意だと思って喜んでいると、百姓は墓前に正座し、首を垂れる。武士は、100年経っても藤樹の遺徳が生きていることを悟る。  ・・・・・人を育てるのは100年の大計

 10月は偉人に学ぶを定番化してオープンで行っていきたいと思います。
 次回(来年)の候補は、二宮尊徳、マザーテレサなどが上がっています。

 三の会、これからの活動にどうぞご期待ください!